上海の本屋は、百年教会の中にあるものもあれば、老洋房の中にあるものもあれば、陸家嘴の高いビルの中にあるものもあれば、建築家が設計した建物の中にあるものもある。上海の特色に満ちた本屋は、都市の中ではかけがえのない場所だ。
新華文創・光の空間 安藤忠雄の建築作品
本棚は3階建てで、机が多く、天井は星空のようで、コンクリート打放し部材がそこに飾られている……。新華文創・光の空間のデザイナーは、「コンクリート打放し建物の詩人」と呼ばれる安藤忠雄氏。
階段を上っていくと、明珠美術館に直行できる。美術館の入り口には、卵のような「光の空間」の建築模型が長期展示されている。館内の展覧会も見学する価値があり、気軽に本屋に来ても、いつもいい展覧会に出会うことができる。
住所:閔行区爱琴海ショッピングパーク7階
思南書局・詩歌店 『繁花』の中の東正教会は詩歌しか売っていない
皋蘭路には、特別な聖尼古拉斯東正教堂がある。百年間にわたり教会は多くの用途を変えてきたが、思南書局が入居した後、教会内部の改造で壁に触れてはならないという規定に従い、デザイナーの兪挺は「church in church(教堂の中の教堂)」という設計理念を生み出した。書店内には、伝統的な木製本棚はなく、代わりに巨大な鋼板があり、教堂の形に合わせて屋根に直通している。
書店で売られている本はさらに特別で:詩歌に関する本だけを売っている。この書店は中国、フランス、ロシア、英国、ドイツ、日本など11カ国の作品を集め、1000冊以上の外国語詩集を含む。本棚には、さまざまな国のランドマークの建物が描かれたラベルがたくさん貼られている。ラベルによれば、「京都仏寺」のそばに松尾芭蕉を見つけ、「自由の女神像」のそばにエリザベス・ビショップを見つけることができる。
住所:黄浦区皋蘭路16号
思南書局 アオギリの下の「人文心臓」
思南公館は4階建ての花園別荘で、詩歌店とは2つの道しか隔てていない。ここには思南書局の上海初の実店舗書店がある。入り口は2階にあり、照明と暖炉が老洋房の応接室を暖めた。3階と4階は常にイベントスペースとして、各種文化芸術展覧会や読書イベントを開催している。
「文史哲芸」の4種類の図書を主とする思南書局には、出版界、文学界、学術界、翻訳界、報道界の人々が集まった選書チームがあり、現在最も良質な中外文図書を選んだ、また、ロンドンの書評書店とも協力し、ロンドンの選書チームは思南書局のタイプ、ブランド、特色、上海読者の好みに基づいて、約500種類の英語版新刊書を厳選し、定期的に更新する。
住所:黄浦区復興中路517号
幸せを集め・黒石 本屋でレコードを聞いて、まるで上海灘に戻ったようだ
黒石公寓は上海復興中路にある神秘的な歴史的建造物で、バロック風の外観、開放的なポルチコと美しいコリント式柱身を持っている。今では音楽主題文化街区「黒石M+」のランドマークとなっている。
「幸せを集め・黒石」書店は、公寓内部を探索する最良の場所だ。回廊のモザイクタイルに沿って進むと、両側には7つのテーマ集室がある。文化集室には英語原版文学書が大量に集まっている。音楽と芸術集室には珍しい琴譜が所蔵されている。視界集室には蓄音機、音楽類文創などの製品があり……回廊の最後の左側にあるカフェは、元公寓のプールを改造したもの。
「幸せを集め・黒石」は上海の有名な「音楽圏」に位置し、近くには上海音楽学院、上海交響楽団、上海文化広場などがある。試聴室に入って、大好きなレコードを聞いて、昔の上海灘に戻ったようだ。
住所:徐匯区復興中路1331号黒石公寓1階
緑瓦スポーツ書店 上海初のスポーツをテーマにした書店
緑瓦スポーツ書店は上海スポーツ学院に隣接しており、上海初のスポーツをテーマにした書店であり、スポーツ人物の伝記、スポーツ文史、スポーツ健康とスポーツ管理など1000種類以上のスポーツ書籍を提供しており、スポーツ愛好家のほか、スポーツ学院の教師と学生も専門書を探しに訪れる。
独特のインテリアは、スポーツ書店を若者に愛される場所にしている。600平方メートルの書店は灰色調の工業風をベースに、中庭の高さは13メートルで、異なる板で構成された「明月山」のそばに、19の「山島」が囲まれている。
実は「緑瓦」という名前にも由来があり、上海スポーツ学院内の旧上海国民政府の市庁舎から取って、現在はスポーツ学院の行政ビルとなっている。スポーツ、歴史、文化がここで融合し、書店に一般的ではない意味を与えている。
住所:楊浦区清源環路588号
朶雲書院・旗艦店 239メートル、頭をもたげて雲を見って、頭を下げて本を読む
黄浦江を越えて浦東陸家嘴に来て、「世界第2位の高層ビル」上海中心大厦の52階、239メートルの高さに、リラックスできる場所があり、それは朶雲書院だ。
透かし彫りの仕切りと半円形の入り口が長い本棚を構成し、読者を各エリアに案内する。空中庭園のようなコーヒーコーナーが人気で、コーヒーを注文するだけで、頭をもたげて雲を見って、頭を下げて本を読む静かな世界を持っている。
朶雲書院は思南書局と同じクリークに所属しており、いずれも高品質の書物リストを持っている。「ロンドン書評書店コーナー」のほか、「豆瓣高分図書コーナー」や有名人が推薦する「態度のある本棚」もある。書店の文創製品もかなり豊富で、上海博物館、上海コンサートホール、上海外灘美術館、万博博物館などの文創製品がここで買える。
住所:浦東新区陸家嘴環路479号上海中心大厦52階
—「茱妮.Julie」より