「東洋五大名錦」と称される、雲錦、壮錦、蜀錦、宋錦、そして日本の西陣織。これらはそれぞれが、繊細で美しい織物の伝統を持ち、その背景には豊かな文化と技術の結晶が息づいている。
南京雲錦
江蘇省南京にある雲錦は、その名の通り、色彩の美しさがまるで天空の雲霞のようで、「錦中之冠」と称されるほどの評判を得ている。一方、宋錦は宋代の頃に隆盛を極め、その繊細で雅なデザインと控えめながらも優美な色彩で、当時の芸術の粋を表現している。
宋錦
5世紀から6世紀にかけて、中国の養蚕と絹織技術が日本に伝わり、日本の絹産業や工芸技術に重要な影響を与えた。日本の精緻で繊细な織物は徐々に発展し、西陣織が登場した。
西陣織は日本が誇る最高の機織技術を象徴し、その織物の表現力は極めて豊かだ。皇室や貴族のために特別に作られることが多かった西陣織は、その精緻さと格式の高さから国宝としても称されている。
時を経て、中国と日本の間で絹文化や織物技術が交流し、相互の影響を受けながら発展してきた歴史は、一衣帯水という言葉が示す通り、絹の糸で結ばれた深い縁を感じさせる。江蘇と日本の間で続くこの文化的な交流は、今もなお私たちにその魅力を伝え続けている。
TIPS
南京
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寄稿者:江蘇観光(日本)ピーアールセンター