中国本土の最南端に位置する雷州半島は、中国三大半島の一つであり、古代海上シルクロードの重要な出発点の一つである。ここで開発、建設された最初の都市である雷州は、中国本土から海南への重要な通路である。 356 キロメートルの海岸線が蛇行し、184の文化保護機構と180 の無形文化遺産が互いに補完し合い、「国家歴史文化名城」、「中国民間文化芸術の故郷」……国家級の金色の看板が雷州を輝かせている。
通り沿いには屋台や老舗が軒を連ね、市場の雰囲気が色濃く漂っている。均整のとれたアーケードが建てられており、壁の一部には時の流れを感じさせるまだら模様が残っている。街区は伝統的な姿を残しており、ここの人はゆっくりとした日々を送っている。
雷州市のシンボルである石の犬は、「トーテム」から「マスコット」、そして「守護者」へと進化し、魔除けや幸運を祈るなどの意味合いが込められている。家の前、路地、村、交差点、お寺の前……雷州の村のいたるところで石の犬が見られ、村民は祭りごとや旧暦の 1日と15 日に石の犬を拝む。
雷州はそれほど大きくないが、訪れる価値のある場所がたくさんある。雷州は古代、野蛮な土地であり、多くの著名人や学者がここに左遷され、足跡を残した。蘇東坡と蘇轍の兄弟が雷州に住んでいたとき、彼らは市の西にある羅湖を訪れて船遊びに出かけた。その後、雷州の人々は蘇東坡をを記念するために、「羅湖」を「西湖」に変え、そして「蘇公亭」を建てた。
雷州を出て南下すると、徐聞県の南極村に行くことができ、村の灯楼角は中国本土最南端の地理的ランドマークである。北に行けば「中国海鮮の都市」湛江市に行き、プリプリの牡蠣を味わうことができる。途中で湖光岩に寄り道して、マール火山の地質と地形を観察することもできる。
雷州はニッチな文化の秘境であり、古くて活気があり、のんびりしていながらスピリチュアルである。ここを旅するとサプライズが満ちている。
寄稿者:くるみ