2022年11月、中国が申請した「中国の伝統的な製茶技術とその関連習俗」は国連教育科学文化機関(ユネスコ)無形文化遺産リストに登録された。もしあなたもお茶が好きなら、お茶の香りとともに、世界を魅了してきた1000年の中国の味を感じてみてはいかがでしょうか。
お茶は、中国では長い歴史を持つ。中国には4大茶区(茶産地)があり、百種類以上の茶の木が分布している。江蘇、浙江地区は緑茶が好き、福建、台湾地区はよく烏龍茶を飲み、チベット高原から内モンゴル高原までのみんなは黒茶をベースとした各式のバター茶、ミルク茶を離れられない。
雲南省プーアル——茶馬古道と雲霧林
プーアル茶は雲南特有の大葉種茶の木で生産されたお茶で、中国茶の中で最も入れ方と琴の音楽を聴きながら飲む芸術にこだわっているお茶である。プーアル茶は雲南に出て、世界を風靡した。その理由はすべて茶馬古道の中にある。
茶馬古道が最初に形成されたのは唐代である。当時、雲南と吐蕃は頻繁な貿易往来があるために、「馬帮」と言う行商隊が出現して、馬で茶葉を各地へ運ぶのも始めた。
馬幇は原産地のプーアルから始まり、チベット、インド、ネパールに入り、そして最後に茶葉をはるばるペルシャとローマに運び、それによって西洋の上流貴族の飲茶の風潮に影響を与えた。
馬幇が茶葉を運送する道のりは非常に険しく、遠いのはもちろん、山を越えて、川を渡るのも日常茶飯事で、往々にして九死に一生を得てやっと目的地に着くことができる。茶葉は貨物だけでなく、ハード通貨でもある。馬幇は現地で茶葉を布、鉄器、生活用品と交換した後、一休みして雲南に戻り、このように往復し、独特な貿易生命通路を担い始めた。
現在、茶馬古道はその歴史的機能の消失に伴い、蒼い山々の間に消えてしまった。しかし、古道の茶の香りは、決して消えない。
雲南景邁山には万畝の茶林がある。この古茶園は1800年の歴史があり、現在世界で最も保存状態も良く、年代も最も古く、面積最大の人工栽培型古茶園であり、「茶樹自然博物館」と誉められている。ここではお茶を飲むだけでなく、茶摘みからプーアル茶餅作りまでの全過程を体験できる。
浙江省杭州——都市茶園と千年の風雅
杭州は古くから江南地区の茶文化の発祥地である。中国十大銘茶の一つとして、西湖龍井は1000年余りの歴史の中で愛されてきた。ゆえに、悠久、深遠な茶文化を味わうのも杭州へ遊びに来る楽しみの一つである。
梅家塢村
西湖のそばの大きな山の中にはさまざまな個人経営の茶園があり、その中で最も有名なのは西湖十景の一つである龍井問茶である。しかし、大勢の人を避けて茶園の美しい景色を楽しみたいなら、梅家塢はより良い選択かもしれない。
龍塢茶村
ご存知でない方も多いと思うが、杭州の南西に位置する龍塢村には杭州最大の龍井茶産地があり、14000畝の茶の木が山間に広がっている。うっそうとした植生に加え、青々とした光明寺ダムも立地している。
中国茶葉博物館
杭州市の茶園を見て、茶文化をもっと深く理解したいなら、山あいにある中国茶文化博物館が一番良い選択だろう。杭州の龍井茶に限らず、館内には中国各地の数百種類の茶葉があり、ボタンを押すたびに詳細な解説を聞くことができる。
青藤茶館
千年の茶文化を持つ古都として、大小の茶楼が杭州に散在して、その中で最も有名なのは青藤茶館である。青藤茶館は多くの支店がある杭州の老舗セルフサービスの茶館である。杭州を代表する山野桂花、甘い香りの蜜蘭香単欉など、どれも味が素晴らしい。
福建省武夷山——山奥に入って岩茶を探す
中国には有名な茶産地が多いが、山水の風景、歴史と人文を製茶の伝統と一緒に表現できる旅行先は武夷山に他ならないかもしれない。
他の烏龍茶と違って、武夷岩茶は岩の風骨からきた「岩韻」 が味わえる。「武夷岩茶」は武夷山地で生産される数種類の烏龍茶の総称で、主に大紅袍、肉桂と水仙を含んでいる。「大紅袍」の名声は他の岩茶の人気に蓋をして、ほとんど武夷岩茶の代名詞となった。
「正岩山場」は武夷山の中心区に位置する山場で、外部の人が入りにくい桃源郷である。笠や背負いかごなどの古風な道具を使って茶を採るだけでなく、現地にはきれいな漢服を提供する施設もあり、服装を変えてお茶を体験もでき、さらには正岩山場を深く探索することもできる。
安徽省黄山——国民的観光地の隠しの遊び方
安徽省でよく生産される茶葉は種類が多く、 「六安瓜片」「太平猴魁」「祁門紅茶」 などの名前がついているものが少なくとも10種類ほどある。その中でお茶と景色の結合が最も完璧なのは、太平猿魁の唯一の産地、黄山毛峰の主産地、黄山である。
/お茶の旅に出よう/
コース:湯口馬鞍崗茶園——黄山莫問茶号徽茶博物館——翡翠谷——上海牛乳グループ黄山茶林場
スタート地点の湯口馬鞍崗茶園はまさに黄山毛峰の茶葉基地であり、茶園は黄山七十二峰眉毛峰のふもとに位置し、標高が700メートル余りで、育成した毛峰の茶葉は味が甘く、香りがまるで蘭のようである。
黄山莫問茶号徽茶博物館では、徽州で栽培されたお茶の制作と研究の発展史、現状、未来について知ることができる。翡翠谷と上海牛乳グループの黄山茶林場はいずれも、茶摘みを体験できるだけでなく、民宿に泊まって数日ゆっくり生活することもできる。