金魚(金魚釣り)は、間違いなく日本の最もなじみ深い夏の風物詩の一つであり、金魚ちょうちんが登場する「柳井金魚ちょうちん祭り」もある。中国では、魚灯籠も非常にユニークな伝統芸術であり、無形文化遺産である。
魚灯籠は吉祥灯、太平灯、富貴灯とも呼ばれ、中国人の心の中では幸福の象徴である。ふっくらとした鯉、明るいライトはとても美しく、穏やかで楽しいお祭りの雰囲気を醸し出している。
魚灯籠の起源は唐の時代、あるいはそれ以前に遡ることができ、夜に海から帰る漁師の道を照らしたのが始まりという説や、戦争中に警告の信号を伝えるために生まれたという説もあり、その解釈はまちまちである。南宋時代になると、魚灯籠踊りは元宵節に欠かせないものとなった。
魚灯籠は魚を形とし、竹を骨とし、灯りを魂とする。魚の頭、魚の体、魚の尾の3つ部分が巧みに接続されており、自由に動ける。その内部の蝋燭は片手で持つことができるが、大きなのは数メートルに達する。
魚灯籠もさまざまな祭りやお祝いの行事に徐々に取り入れられ、人気のある民俗芸能となった。魚灯籠踊りは数十人から百人ほどの人々によって踊られ、一人で一つの魚灯籠を持つこともあれば、一人が魚の頭を持ち、もう一人が尻尾を持つこともあれば、たくさんの人が大きな魚灯籠を持つ踊ることもある。現在でも中国の多くの地域で、元宵節の時期に魚灯籠祭りが開催されている。
明るい月明かりが大地に広がると、静かな汪満田村(安徽省黄山市歙県溪頭鎮に位置する)は魚灯籠の華やかさで活気づく。3、4歳の子どもから70代、80代のお年寄りまで各世帯が参加し、みんなで魚灯籠の行列を追いかける。遠くから見ると、夜の中を自由に泳ぐ光り輝く魚の群れのように見える。
汪満田村の魚灯籠の風習は600年の歴史がある。言い伝えによると、この村ほとんどの家は木造で、頻繁に火事が起こった。平和を求めるために、村人たちは毎年正月13日から16日まで、4日間連続で魚の形になって川の両岸で遊ぶという。
古い儀式、素朴な願い、原始的な音楽と踊り、そして明るい灯火が、何世紀にもわたって受け継がれてきた。光に身を置き、しばし立ち止まって、生き生きとした魚灯籠を眺め、中国式のロマンを体験しよう。
筆者:木木