藍印花布と「ジャパンブルー」

江蘇省南通は、織物と藍印花布の名所として広く知られている。この地域は水系が豊かで、川沿いに棉花や藍草が育ち、藍印花布はこの恵まれた自然環境の中で生まれた。藍印花布の染色技術は唐宋時代に始まり、明清時代には「藍草が至るところに植えられ、染坊が村々に広がる」という隆盛を迎えた。

藍印花布の魅力は、その独特な染色技術にある。藍草から抽出された藍で布を染める過程は、まるで芸術作品を創り上げるかのようだ。油紙で作った型紙を布に当て、ナイフで花模様を刻み、石灰や豆粉を混ぜた防染糊を刷り込む。乾燥後、布を藍に浸し、再び乾燥させて防染糊を剥がすと、美しい模様が浮かび上がる。その模様はまるで陶器の細かい花模様やひび割れのようで、非常に趣がある。

およそ6世紀頃、藍染めに用いられる藍草が中国から日本へ渡り、染料として広く栽培された。特に吉野川流域は日本最大の藍染め産地となり、藍染めの服飾は日本の民間で広く普及した。明治時代に日本を訪れた英国の学者が、街中で見かけた藍色の美しさに感動し、この色を「ジャパンブルー」と名付けた。

日本の藍染め技術は、南通の藍印花布の製作技術と深く繋がっている。江蘇省南通を訪れ、この古くから伝わる手工芸の印染技術を体験し、藍色の布地に花を咲かせる無形文化遺産の魅力を感じてみてください。

Tips
おすすめのスポット:南通蓝印花布博物館


寄稿者:江蘇観光(日本)ピーアールセンター


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