西安は中華文明の発祥地の一つとして、多彩な無形文化遺産がある。古くからの伝統技術から、生き生きとした芸術パフォーマンスまで、実際に体験してみるのを待っている!
一曲が長安(西安の古称)に響きわたり、その音は千年以上の時を経ている。西安の鼓楽は歴史が深く、遡れば隋唐時代まで及び、中国の「古代音楽の生き化石」と呼ばれている。2009年には、ユネスコ無形文化遺産代表リストに登録され、エジプトやモロッコなどの国々へも演奏団が派遣されてきた。これにより、伝統的な無形文化遺産の普及と海外の人々による中国の伝統文化への理解と愛着を深めるのに大きく貢献してきた。
西安の鼓楽は今日に至るまで、非常に整った曲目、譜面、構造、楽器および演奏形式を保っている。鼓楽の曲目は豊富で、内容も広範囲にわたり、調式やスタイルは多様であり、曲式の構造は複雑かつ大規模である。演奏形式には座楽と行楽がある。
座楽は西安鼓楽の室内での演奏形式で、通常、廟会や祭祀などの荘重な場面で行われる。座楽では主に竹笛が主奏楽器として使用され、笙や管などの吹奏楽器がこれに加わる。さらに、多種多様な打楽器も用いられ、壮大かつ雅やかな音楽スタイルを表現する。
座楽とは異なり、行楽は西安鼓楽の屋外での演奏形式で、パレードや迎賓、送賓などの公共の場面で広く用いられる。行楽を演奏する時、カラフルな旗や令旗などの道具が伴い、活気があり華やかな雰囲気を作り出す。
西安鼓楽は、古い芸術形態として現代でも持続的な生命力を持ち続けており、現在では大唐芙蓉園の紫雲楼で演奏されている。数年間にわたる丹念な磨きを経て、『鼓』と題された西安鼓楽は伝統的な趣を保ったまま、現代のステージ技術を取り入れ、新しい設備、衣装、曲目、テーマを通じて、途切れることなく継承される無形文化遺産の精神を伝えている。
美しい古楽の音色が響き始めると、軽やかで優雅な舞いが太鼓のリズムに合わせて始まる。西安鼓楽は、千年にわたる音楽と盛唐文化の独特な魅力を世界に示している。
『鼓』公演会場:
大唐芙蓉園
陝西省西安市雁塔区芙蓉西路99号
寄稿者:花子