米粉好きにはたまらない!贵州で一週間の米粉三昧の旅

贵州での滞在は、食べることに関して驚くべき体験が待っています。羊肉粉、牛肉粉、辣鷄粉、酸湯粉、酸粉、剪粉、巻粉……贵州ではどの街に行っても、必ず心に残る米粉があります。一週間、あるいは一ヶ月、同じ種類の米粉を食べることなく過ごすことができるのです。信じられないでしょうが、米粉好きの方はぜひ一度トライしてみたいのではないでしょうか?

初日:牛肉粉

贵陽で最も人気のある朝食は牛肉粉です。 私たちは初日、地元の人に紹介された「深巷牛肉粉」という店を訪れました。この店は路地裏にひっそりと佇んだこじんまりとした店ですが、客足が途切れること無く大人気のお店です。

酸味の効いたスープの牛肉粉を注文しました。調理場を忙しく動く店主の张玉华さんは、客の扱いも得意で「麺が伸びちゃうよ、早く食べなさい!」と、調理しながら声を掛けています。 酸味のあるスープは麺がすぐに伸びてしまうので、食べに来てくれた人に一番おいしいタイミングを伝えたいと、ついつい言ってしまうそうです。

「深巷牛肉粉」は20年以上続いており、味も作り方も、张玉华さんと周润生さんの夫妻がゼロから少しずつ改良して作られてきました。「お客さんだけでなく、私たち自身も米粉が好きで良く食べます。私は娘を妊娠中、毎日ここで米粉を食べていました」と张さんは話してくれました。

二日目:羊肉粉

贵州では、他の地域では無い特色ある羊肉粉が楽しめる事でも有名で、ここ贵陽でも本格的な味わいの店を見つけることができます。

黄金路に位置する「老字号苏记羊雑牛肉粉」は、季節を問わず人気のある店で、この小さな店は30年営業しており、現在の店主の杨洁さんが両親から引き継いでから10年以上も経ち、羊雑(羊のホルモン)と牛肉の2種類の米粉だけをずっと出してきました。
手間と時間をかけて煮込む、格別なスープは、常にお客さんで賑わっています。

辛いものが好きなら、遵義蝦子陳記羊肉粉がおすすめ。店主の陈晓芬さんのこだわりは「唐辛子は最高の遵義から取り寄せたものを使い、肉はは山と自然が豊かな地元贵州の、黒山羊を使っている。おいしい肉とおいしい唐辛子の組み合わせは、飛ぶように売れていくよ」と自慢げに語ります。

三日目:老素粉

老素粉は辛味が特徴の米粉の一種です。私は贵陽で老素粉を2回いただきましたが、その味わいは穏やかとは言えず、辛さを和らげるために何本もコーラを飲みながら、最終的には一杯の素粉を完食しました。初めていただいた素粉の味わいは今でも忘れられません。

訪れた「刘维兰老素粉」は50年以上もの間営業を続け、その小さな店は名声を確立しています。彼らの成功の秘訣は、刘维兰さんが独自に作り上げた油辣椒の製法にあります。最も重要なポイントは、唐辛子を揚げる際に火加減を常に調整することです。店の油辣椒には選りすぐりの花椒も加えられており、揚げた後に、唐辛子、花椒、そして菜種油が完全に混ざり合い、老素粉店の最大の魅力となっています。

四日目:凉拌紅油米皮

贵陽の民生路にある「董家紅油米皮」が、凉拌紅油米皮を堪能するには最適です。この小さな店は何十年もの間手作りの米皮を提供し続け、その姿勢は一貫しています。店主の董小利さんは、一日中粉圧機に目を光らせ、常に集中しています。「米皮を作るのは難しいとは言わないけれど、簡単だとも言えない。とにかく真剣にやらないとね」と話しながら、機械の液晶画面の数字の変化に合わせて温度調整を行っています。「適切な温度はおおよそ95度くらいですね」と彼は補足しました。蒸す温度だけでなく、混ぜる、茹でる、そして調整することも非常に重要です。

 

董小利の店で米皮を食べるのは、近隣の人々も同じです。通りかかると新鮮な米皮が見えると、すぐに一杯注文し、もう半斤切って持ち帰ります。

五日目:清淡鵝肉粉(がんにく、ガチョウやアヒルなどの肉)

この日は「黔香園大姨媽清湯鵝館」で、清淡鵝肉粉をいただきます。このお店は唐辛子をまったく使わないので、辛いのが苦手な人も安心して楽しむことができます。

こちらのお店は10年以上の歴史を持つお店で、「姨媽」という店名は5人の姉妹を指しています。「もともと家業ではなかったのですが、父親が料理が得意な人だったので、私たち5人の姉妹も料理作るのが好きで得意で、お店を始める事になったのです」と、姉の宋林楓は語ります。

この店では、毎日鵝肉のスープに入った米皮を提供しています。鵝肉のスープに浸した米皮は、清涼な風味が広がり、スープに入れる肉は、鵝肉の胸肉だけでなく、様々な部位も注文可能で、鵝肉の足、腸、肝臓、驚くべきことにガチョウの頭もあります。こちらの秘伝の調味料も、姉妹たちが何度も試行錯誤し、調整してきた味です。

 

六日目:辣子鶏粉

贵開路にある「颜記豆花面」は、その名の通り豆花面の店ですが、実際には一番の人気は麺に入れる具である辣子鶏(唐辛子鶏)です。店主の颜鸿莉さんは、朝食屋の中で最も伝統を受け継いでいる人物であり、彼女の祖父と父親は本物の料理人でした。

この店の辣子鶏粉は私の好みにぴったりで、微かな甘みがあります。辣子鸡を作る際には、公鶏の胸肉が最適です。皮付きの公鶏の胸肉は、辣子鶏を切る際に最も粘り気があり、食べるとまるでもち米のような食感さえ感じられます。颜鸿莉さんは私に話してくれました。「下準備はたった10分ほど、鶏肉を骨から外して、唐辛子と、生姜、ニンニク、他の調味料を加えると、辣子鸡が完成します。」

七日目:脆哨粉

脆哨は油で揚げた肉の干し肉で、長時間揚げるため、肉の質感がふわっとしてサクサクした食感に変わり、まるで揚げエビチップのようですが、それでも肉の香りがたっぷりあります。

民生路に位置する「丁家脆哨」は脆哨の名店として知られています。店主の丁冬月は1970年代に店を開店し、今でも毎日手作りで調理しています。

脆哨はその美味しさにおいて肉の質にかかっています。特別な調理の秘密はありません。「丁家脆哨」の魅力は、品質の良い肉を用いて作る丁寧な工程にあります。今日はこのように手間暇を掛けて作るお店は少なくなってきています。

寄稿者:グルメアドベンチャー菌です

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