北部には小さな風景の美しい町がある。中国本土の最東端に位置し、最も早く太陽を迎える場所として知られている。ここでは夏は酷暑がなく、日中の平均気温は23℃程度で、夜は布団をかぶって寝ることもある。ここは韓国に一番近い都市で、海を隔てて海岸線は約1000キロメートルにわたって続いている。沿線の海は澄んでいて、松林が広がり、海鳥が舞集まり、中国で最も美しい銀のビーチもここにある。この「海は城の中にあり、城は林の中にあり、林は山の中にあり、人は緑の中にある」という都市は、山東省の「威海」である。
「曲がり角で海に出会う」
しばらく前にネットで話題になったのは、威海の「火炬八街」である。大きな坂を下って、その先に鎌倉のような海が広がり、周りの色鮮やかな建物がまるで絵のようだ。自転車を借りて、風を受けながら海に向かってサイクリングすると、青春のにおいが空気いっぱいに満ちている。
火炬八街と交差するのは「環海路」であり、多くの人々がこの道路を通じてこの街に魅了されている。環海路を自転車で走ると、魅力的な緑の芝生が道を彩り、青い空や碧い海と調和を成していて心地よい気分をもたらす。威海の青空は澄み切っていて、きらきらと光る海面に水蒸気が蒸し立ち、まるで仙気のような神秘的な雰囲気を漂わせている。
「ロマンチックなハート島」双島湾
威海は清新で文化的な雰囲気だけでなく、ロマンチックな場所でもある。有名なハート島がここに位置している。高い所から見下ろすと、この島はまるで巨大なエメラルドの上に彫り込まれた「ハート形」の宝石のように見える。
海の色は多彩で、島からは威海の最も美しい日没を見ることができる。特に夕暮れ時分になると、夕日が雲の中に隠れ、太陽の光がどこまでも続く海に降り注ぎ、山と海が交錯して、美しい景色が広がり、人々が憧れる。
「大人気の栄成」
栄成は威海の県級市であり、大きくないが、至る所に魅力が詰まっている。最近、SNSで栄城の海草の家の写真が大流行した。ふさふさした海草の家は海に向かっていて、頭上には青い空、周りには若緑の草が広がって、知らない人は北欧の草原に来たかのようにさえ思う。そして知っている人が多くないかもしれないが、海草の家は世界でも代表的な生態住居の一つと言える。家は石を壁にし、海草を屋根に使い、外観は古風で厚みのあるまさに実直で可愛いものだ。海草の家の周りには緑が生い茂り、四季折々の香りが漂い、まるで二次元の世界に迷い込んだかのようだ。簡単にシャッターを押すだけで素晴らしい写真が撮れる。
実は、栄成が最初に人気になったのは「白鳥の湖」だった。これは中国北部で最大の白鳥の越冬地の一つである。毎年の11月ごろから、北部から白鳥や雁、鴨などがぞろぞろとやってきて越冬し、群れをなして湖を真っ白に彩る。彼らは互いにくちばしを触れ合わせ、首を寄せ合い、翼を打ち鳴らし、歌を歌う姿が壮観である。
「中国の喜望峰」成山頭
成山頭は三面が海に囲まれた地域で、最も早く日の出を見られる場所で、古くから「太陽の昇る場所」と誉められている。中国大陸の海とつながる最東端には、「喜望峰」と刻まれた石が立っていて、毎年多くの人々を魅力している。成山頭には奇峰が林立し、絶壁が削ったように、雲が立ち込めて、竜王の触角が海まで伸びているかのようで、見るものを圧倒する。
「大地のカラーパレット」港西鎮
栄成の「港西鎮」は、最近の人気スポットである。港西には歴史ある塩田があり、最近の気温の上昇に伴い、独特な美しい風景を呈している。塩の加減や結晶、蒸発の速さによって、それぞれの塩の池は、赤、橙、黄、緑、青、藍、紫など鮮やかな色彩で彩られていて、まるで巨大なカラーパレットのように大地に埋め込まれている。
威海は広大な花園のようで、海はいつまでも澄み切っている。青い空、白い雲、細い砂浜は目を奪われるほど美しい。時間があるとき、ぜひここに訪れてみてください。緑の樹木や色とりどりの花に囲まれた道を歩き、蒼い海を見渡すと、心も静かになる。
寄稿者:山海愛込み