春風が大地を撫でると、一面の菜の花畑が静かに咲き誇る。山や川に寄り添い、古い村落と調和しながら、鮮やかな色彩で春を彩っている。さあ、中国の菜の花名所へと足を運び、金色のロマンチックな旅を共に楽しもう。
雲南・羅平
雲南、広西、貴州の三省の境界に位置する小さな町羅平には、中国最大の菜の花畑がある。潮の流れのように500平方メートルあまりにわたって広がる菜の花、そこに屹立するカルスト峰林、早朝の薄霧のなかに見えつ隠れつする村や集落が、「世界最大の自然の花園」という名の幻想的絵巻物を作り出している。田畑の間をのんびり歩くと、プイ族の山歌が風に乗って伝わってくる。また、兵器舞、高蹺舞などの民俗パフォーマンスもさらに異彩を放っている。
浙江・覆卮山
千年の棚田に植えられているここの菜の花は、山頂から谷底まで広がっている。幾重にも重なる棚田と黄金色の菜の花が引き立てあい、そのスケールは壮観だ。麓のビジターセンターから出発し、曲がりくねった山道を上へ上へと登っていくと、道中にはいくつもの展望台があり、いろいろな視野から菜の花の棚田を楽しむことが可能だ。近くに咲く花から遠くの山々まで、ここには独特のレイヤー感と雰囲気の美が広がっている。
重慶・崇龕
曲がりくねった瓊江がまるでエメラルドグリーンのリボンのように菜の花の海の間を縫って流れている。遠くには緑生い茂った山が望め、ぽつりぽつりと点在している村々は花の海に抱かれて非常に静かで美しく、穏やかな日々を伝えているようだ。見るものをうっとりさせる花畑の景観以外にも、崇龕には深くて厚い歴史と文化の含蓄もある。崇龕は中国道教の名高い人物である陳摶老祖の故郷であり、深く豊かな伝統文化を持っている。
安徽・響水澗
安徽省蕪湖市には水上に広がる菜の花畑がある。ここは、たっぷりの水と清らかな渓流があり、雨降りの音が普通とは違って「ジャンジャン」と、まるで銅鑼や太鼓を一斉に打ち鳴らしているように聞こえ、またその音も澄んでよく響くことから、「響水澗」という名がついた。ここでは菜の花の海と蒼天、碧水が互いに引き立てあっている。田畑の間には用水路と河川が縦横無尽かつ密に流れ、自然の水郷の田園風景が広がり、撮影業界では「神のパレット」と評価されている。
寄稿者:一瞬の風