大理喜洲でシティウォークしながら、ペー族の民族風情を味わう

人々はよく「大理とぺー族を理解するには、まず喜洲を理解しなければならない」と言う。喜洲は、千年のペー族の歴史を持つ文化的に有名な町であり、大理文化の主な発祥地の一つである。

中国の名作家、老舎先生は喜洲をこう評価している。「私は思いもかけませんでした。国内のこんな辺鄙な場所で、こんな立派な町を見るとは。ここの町に入るとまるでイギリスのケンブリッジに着いたようである。両側は至る所に水が流れていて、外に出て、野菜を洗ったり洗濯したりしたら、その汚れも水と一緒に直ちに流れて行く。」

先日、喜洲を深く知るシティウォークに行ってきた。シティウォークとは一つの町を知る最も良い方法であり、そのコンセプトはイギリスのロンドンが起源で、近年中国で徐々にブームとなっている。

ただ歩いて写真を撮るのではなく、目的のないぶらつきでもなく、「travel as local」(ローカルのように旅する)というコンセプトのもとで、設定されたコースやテーマに沿って歩くことだ。より身近な街を知り、自分の足で身近な美しさを発見することで、街の歴史や文化、及びその変遷を深く知ることが目的としている。

午前十時私たちは正義門に集まった。正義門の二階に魁星がまつられている。ちょうど喜洲人が受験生のために福を祈っているのを見かけた。彼らは難関に合格するお守り(地元の人は「表」と呼ぶ)を書き、試験の前に燃やして福を祈るらしい。

正義門から遠くない蒼逸図書館は喜洲古鎮にある最初の、そして唯一の公共図書館である。1930年代から40年代にかけて、数多くの知識人が集まり、交流する重要な文化の場だった。今の蒼逸図書館は書店として生まれ変わっている。庭には鬱蒼とした竹が生い茂り、時折ガジュマルの高い木には白鷺が降り、座席やパラソル、コーヒーなどの飲み物が用意されていて、読書にはもってこいの場所がまた一つ増えた。

ほとんど喜洲に来る旅人はあの鬱蒼とした麦畑を見逃すことができない。見渡す限り一面の赤レンガの壁がひときわ目立ち、この建物は喜林苑・楊品相宅であり、赤レンガの壁は喜洲のシンボルとなって皆の欠かせない撮影地となった。喜林苑・楊品相宅の二階は緑豊かな畑に面している。コーヒーや美味しいケーキを注文して、静かに景色を見ることができる。

宝成府は厳家の屋敷の横の路地に位置して、喜林苑に所属するもう一つの民宿である。ここは喜洲商幇の四大家の首位である「厳家」の二男厳宝成さんの家で、建造する時もたくさんの輸入建材を使って、喜洲最大の合院である。宝成府の用途は何度も変わっていて、かつては舟橋連の駐屯地、文化桟敷、演出の場などとして使われていた。

午後の陽射しが差し込んだ時、第三院の洋館と庭園で、お昼を食べよう。緑豊かで、静かな庭は、のどかで、庭に散らばっている小さな石ころも、あなたとかくれんぼをしているようだ。

道に沿ってぶらぶら歩くと、混雑している人混みを見えたら、多くの観光客が撮影しているロータリービルに着いたはずだ。路地の中にほかにも綺麗な建物が沢山あって、楊貴賢院は絶妙な華洋折衷の風格で、特に彫刻のアーチはとても手が込んでいて、美しいバロック式の浮展大門はヨーロッパから通り抜けて来たようだ。

ロータリービル 

楊貴賢苑

朝から出発した場合は、この時間には四方街に着いているはずだ。ここにおいしいスナックの店が沢山ある。私はいつも「啊馬英えんどう粉」で涼粉を食べた後、同じ通りにある20年オープンした「清凉小屋」(クールハウス)でアイスクリームを食べ、一休みしたらまた出発する。

瓦猫は雲南地方特有の家を守る神獣だ。瓦猫を陳列する場所に行くたびに、かわいくて器用な猫たちに目を奪われる。ぺー族は虎を崇拝し、虎を大きい猫と称し、虎の獰猛で恐れを知らない意味を取り、虎の形象を瓦猫に化して家の門や頂に置いていて、屋敷を鎮め、凶を避けて吉へ転することを示している。

大理ぺー族の伝統的な民家は瓦猫を門、家や屋根の真ん中に置き、邪気払いと幸福、家内安全を祈る。今瓦猫を家屋の上に置くことが少ない。人々はこの民間の守り神に新しい芸術の生命力を与え、粘土の形にして家の中に置いて、吉祥と平安を祈っている。

喜洲のペー族の民家の多くは、「ペー族の民家建築史を研究する標本」と言われており、このような庭園は「建築生活哲学」をも体現している。庭で四季折々の景色を眺めたり、縁側で一休みしたり、庭を散歩したりするのは、とても心地よい楽しみだ。

旅の終わりに気が付いたことは、これまで何度も喜洲に来たが、今回初めてこの土地を深く知ることができた。昔の家は今の民家よりずっと洗練されていて、私たちよりも先人のほうが快適な暮らし方をよく知っていたと同行の友達に話した。軒先から門口、壁から庭まで、隅々に知性が隠されているようである。

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