涠洲島巡りーどこを切り取っても「絵葉書」になる場所

広西チワン族自治区の北海はロマン溢れる海辺の街である。気候は穏やかで過ごしやすく、風光明媚な場所だ。砂浜はまるで純白の雪のようで、打ち寄せる波がキラキラと眩しい星島湖、紅樹林、冠頭峰、旧市街、漢代の古墳など、そこにある全てが組み合わさって、絵画のように美しい北海の風景を織り成している。そして、新鮮で心地よい空気にはマイナスイオンが豊富に含まれており、この地は「中国で最も住みよい街」と呼ばれている。

北海市の南の海上には中国最大にして最も若い火山島、涠洲島がある。総面積は24平方キロメートル、最高地点の海抜が79メートルのこの島は、温暖湿潤な気候の風光明媚な場所である。四季は一年を通して春のようで、世界の旅行業界が求める3S(海sea、太陽sun、砂浜sand)が揃っている。ここを訪れる旅行者のほとんどが、この島に輝く色彩のひとつひとつに夢中になるのだ。

6月、涠洲島は最も美しい季節を迎える。電動スクーターに二人乗りして海風を浴びながら島巡りをすれば、2つ寄り添うシルエットが木陰の中に揺らめく。この小島では、海風さえロマンチックなのだ。

人間味溢れる涠洲島では、生活の中の優しい心や平凡な日々が持つ面白みを感じられる。日の出の時間にはビーチに出て子どもと潮干狩りをして、日の入りの時刻になったら夕焼けの中をお父さんお母さんとゆっくり散歩してみよう。大満足の時間を過ごせることだろう。

潮干狩りで「うまい」を捕まえる

涠洲島では、毎年4月から9月までの期間、潮干狩りシーズンを迎える。潮干狩りにうってつけなのは、五彩灘、貝殻沙灘、北港、西角碼頭、滴水丹屏だ。できることなら事前に地元の人に引き潮の時間を教えてもらっておこう。そうすれば、喜びや驚きに出会えるはずだ。もちろん、道具も重要で、熊手やスコップ、バケツ、ライトなどどれも欠かせないアイテムだ。涠洲島の砂浜でよく見かける生物としては、牛眼螺、辣螺、猪仔螺、珍珠貝、蛤蜊と呼ばれる貝類で、夜になるとカニも活発に動き出し、小魚やナマコ、ウニなども姿を見せる。

沈む夕日、茜色の空を目に焼き付けよう

涠洲島に来たことがあるなら、きっと海岸で日の入りを眺めたはずだ。石螺口、滴水丹屏、西海岸、これらはどれも、まるで卵の黄身のような太陽を見るのに絶好のポイントだ。滴水丹屏は崖の隙間から水が湧き出ていることからその名がついた。ここから見る日の入りは明るく澄んだ黄色である。石螺口の海域は砂浜が広く、海水は透き通っている。夕方になると太陽がゆっくりと沈み、空は赤一色に染められ、夕焼け雲から茜色の光があちらこちらへとこぼれ落ちる。西海岸は石螺口のすぐ近くに位置している。ときおり停泊している小さな漁船がキラキラと光る海と一体となって見える。その瞬間、一瞬の美が切り取られ、あなたの瞼の奥に永遠の風景として焼き付くことだろう。

ガラスの海、空に浮かぶ境地

涠洲島の一部の海域には淀みのない青緑色の水面が広がる。人々から「ガラスの海」と呼ばれているこの海域の水は、明るく透き通っており、水面下には海藻が草原のように広がっている。遠くまで見渡せる海は緑色のゼリーのようだ。天気がいい日を選んで遊覧船や漁船に乗り込み、海の上の静寂に身を委ねてゆらゆら漂ってみよう。まるで空中に浮かんでいるような錯覚に襲われるだろう。

涠洲島のロマンはこれだけではない。紺碧の海岸線が、あなたの来訪を心待ちにしている。

作者:篱館

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