中国の桜の名所、それぞれ独特の魅力を持っている

春風が顔を撫でる頃、桜も約束どおりに咲き始める。中国全土、南から北まで、薄紅と白の花々はすでに湖畔や古い寺院、茶園を埋め尽くしている。

貴州省・平坝桜花園

平坝には世界最大の桜の植生地があり、貴重な桜の木が70万本以上も植えられており、その広さと密度は「世界一」と称されている。ここには、貴州最大の高原湖である紅楓湖もある。桜は湖水によって巧みに多くの独立した小島に分かれており、高いところから見下ろすと、まるで仙境のような美しさである。


武漢・東湖桜園

世界三大桜の名所の一つとして知られる東湖桜園には、1万本以上の桜の木が植えられている。園内を散策すると、唐代風の建築物と桜が見事に調和し、桜を前景に五重塔と一緒に写真を撮れば、一瞬でクラシックな一枚が完成する。夜の桜鑑賞では、ライトアップや花火が楽しめるだけでなく、遊覧船の上で行われる古風なダンスパフォーマンスも鑑賞できる。


龍岩・永福桜花茶園

永福は「高山の花園」として知られ、平均標高780メートルの高地に位置している。この独特な高山気候が美しい景色を生み出している。毎年2月から4月にかけて、緑の茶畑が広がる中、数万本のピンクの桜の木が咲き誇る。青い山と緑の水に囲まれたこの地は、お茶を楽しみながら花見をするのに最適な場所である。


南京・鶏鳴寺

毎年春になると、鶏鳴寺の「桜の大道」は花見の名所として人気を集める。鶏鳴寺は「南朝第一寺」として知られ、かつて中国の仏教の中心地であり、今でも千年の歴史を持つ古刹の美しさを保っている。ここでは、香火が絶えることなく、特に春には遠くからわざわざ訪れる人々は、お参りや祈願をするだけでなく、一路に咲き誇る桜を目当てにしている。


青島・中山公園

「中山公園の桜はもう咲いたかな?」毎年春になると、青島の人々は心の中でそう期待する。中国のある作家は、「空が見えないほど桜が咲き誇る」と、中山公園の桜の多さと美しさを表現した。ここには、一重桜や八重桜を含む2000本以上の桜の木があり、20種類以上の品種が植えられている。桜の密度が高く、開花の季節には見事な景色が広がる。

「桜の花の落ちるスピード。秒速5センチメートル。」「桜の木の下では、見知らぬ他人はいない」……桜は枝先で咲き誇るだけでなく、人と人、人と街、人と自然をつなぐ絆でもある。その儚さと美しさが、人々の心を結びつけ、季節の移ろいを感じさせながら、私たちに共有の思い出と情感をもたらしてくれるのである。


寄稿者:直美

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