中国最大の茶園ーー麗水松陽大木山サイクリング記

この茶園に来るまで、こんなに大きいとは思わなかった。

浙江省松陽県は遠近に有名な茶郷であり、この小さな県城には、規模を有する茶畑が12万ムー余りあって、その中の8万ムーがすべて今日私が訪れようとするこの茶園に属している。

入り口だけを見ると、とても目立たないが、中へ入ってみると、あぜ道が縦横に通っていて、別天地が広がる。これが大木山茶園であり、中国最大のサイクリング茶園でもある。茶文化とスポーツとを結び合わせて、浙江人はまた一つ「中国最高」を創造した。

サイクリングコースは、大木山茶園の行楽スポットの一つである。入場料は50元で、レンタサイクルと観光バスはみな30元。天気のせいで道が滑りやすいため、我々は観光用の電気自転車を選ぶことにした。

麗水は山に囲まれた、"仙境"のような都市であり、一番の醍醐味はそのぼんやりとかすかな感じだ。道すがら雨に打たれた幾重にも重なった段々畑を見たり、雲が遠くの山間を絡めながら回ることを見たりする。太陽が見えなくても、大変きれいと感じる。

茶農のおばさんが私にこう言った。天気の良い週末と祝日には、この園は至る所が観光客でいっぱいであり、麗水の地元民がここで休暇を過ごすことが好きで、スポーツ好きな人もここでサイクリングしたり運転したりしている。

茶園の中には、レジャー用の自転車レーンとサイクリング用の「サーキット」の二種類のレーンがあり、地面にくっきりと描かれた標識から、ライダーが疾走する快感がおぼろげに感じられる。

サイクリングサーキットは茶畑を周回していて、進んでいくと、小雨が降っているにもかかわらず点々と茶摘みの人影が段々畑の間に散りばめている。

茶摘みはとても辛抱強い仕事で、毎年正月から十月まで、毎日七、八時間、手を休まずにやれば、大きい茶っ葉では五、六十斤が採れると、ポンチョを着たおじさんが教えてくれた。

麗水は山が多く、空気が湿っていて、土壌も酸性であるため、お茶の栽培に適している。しかし山の多いところは雲も多い、雲の多いところは雨も多くなる。おじさんは今年のお茶は去年ほど良くないと言っている。今年の雨が多すぎたせいで、すでに伏天(一年中最も暑い時期)に入ったにも関わらず、麗水で「例年のような暑さ」を感じてことはなかった。

ぶらぶらしているうちに、小雨が突然と大雨になり、東邊日出でて西邊雨ふる。おじさんはこの「計り知れない変化」に慣れてしまったようで、そのままポンチョを着て、私もレインコートを着て、雨の中で立ち話を続けた。

おじさんは「今日は雨がひどくてもう採れないから帰ります。私の家は隣の村にあります。」と教えてくれた。雨が少し小降りになってから、私は道を「隣の村」の方へ歩いた。

この園は大変広くて、少し離れても道端に並んでいる標識に注意しないと、本当に道に迷うことになる。しかしとうとう道に迷った。

しばらく道路沿いの自転車のあずまやに隠れていたが、雨が小降りになってから、茶摘みの袋を持ったおばさんがやってきた。おばさんはとても親切で、自ら道を案内をしてくれて、彼女の茶園まで連れてくれた。

彼女の茶園では、茶竜井、白茶、烏牛早などいくつかの種類がある。烏牛早は浙江省温州の烏牛鎮というところから生まれた。一番早く出荷される茶種の一つで、正月に摘み取ることができ、小さな芽しかないが、値段が高いため、茶農の収益もそれなりに良いのだ。正月の烏牛早は、口あたりの一番よい時期である。

茶摘みのおばさんに別れを告げた後、またしばらく園を歩き回り、雨が降ったり止んだりして、私もそれに合わせて進んだり、休憩して写真を撮ったりしていた。茶畑の間を縫いながら、こんこんと流れる水の音を聴き、まるで絵の中を歩いているようだった。

松陽県には多くの「生態園」があるが、大木山茶園は面積が最も大きく、景色が最も美しく、施設が最も充実し、体験が最も特別な一つである。普段人が一番多く集まるところは湖畔の茶室で、釣り好きの人がここで釣りをする。友人同士は待ち合わせをして、お茶を飲みながらお喋りする、もしくは一人で座る。

生活を理解する人はお茶を好むと言われるが、私から見れば、麗水が好きな人は、それよりも綺麗な水と青山、そして大自然に対する熱烈な愛が多いのではないか。

寄稿者:旅行日記_Lisa

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