武漢人に朝食を食べるには、「朝を過ごす」という専門用語がある。朝を過ごすことに一番のポイントはーーしっかり食べることだ!
武漢で人気の朝食リストの中には、もち米とさいの目に切った肉が入って、金色に輝く湯葉が普通に見えるが、実際は計り知れない奥深い道理が隠されている。このような他方の人が食べられず、フィットネス愛好家が手を振って拒絶する炭水化物の爆弾は、武漢人だけの喜びである。
木のお玉杓子を高くあげると、米の汁は大きな鍋にまんべんなく広げて、卵を皮の上に割ると、一瞬にしてもち米の準備が完了し、軽く手でちらし、調味料が舞い上がるように鍋の中に入り、押して引いているうちに、湯葉全体が一つのアーチを描く。油は寸分も飛び散らず、具材はこぼさず、すくったりかきたてたり、一気呵成に作り上げる。どんな厄介な客でも、湯葉の前では「美味しい!」という一言しか言わない。
老武漢人は湯葉を選ぶには、湯葉の作り方より、お皿を使ってそれを切るかどうかしかみない。湯葉の美味しさは従来統一した答えがないからだ。
ニガリ新派と油焼き旧派は互いに異端を見なし、筍と椎茸、棒状湯葉と牛肉、豚肉とザーサイの風味にはそれぞれに忠実なファンが群がる。武漢で、湯葉のあるところには江湖がある。
旧派の湯葉には、脂がその奥義である。脂を重んじるトップ「厳末っ子」は、復古流派の大黒柱だ。タケノコとシイタケの肉が鮮明な食感を提供し、パリッとした皮と卵がほのかな香りを放ち、胡椒の風味は朝を生き返らせる。
江湖の反対側、薄脂のニガリ派の常緑樹「味美香豆皮」は、わずか10坪の路地裏に隠れている。一日40鍋という安定した制作が、近所の常連客を引き寄せている。テレビによく出ている女将さんは、カメラを前にしても落ち着いていて、手が忙しくてもお客さんとの談笑が絶えない。
若者が多く集まる江漢路では、無油濃い味派の「楼林美」が中年の好みに合わせている。20年の風雨歳月、かつて花楼街にある小さな馬記牛肉湯葉屋台が今の店舗まで成長を果たし、湯葉とエッグノッグは胃の喜びを引き起こしている。
きれいな食器がなくて、精緻な盛り付けもなく、いく層もある工程を経ることなく、この「形は四角くて薄く、色は金と黄色いで、味は旨くて心を奪われる」湯葉は、4世代の成長を繋ぎ、武漢の都市の記憶をも包んでいる。
アメリカ留学から帰ってきた芮昕さんは、10年前と同じようにおじいさんに付いて朝ごはんを食べる。湯葉とエッグノッグは、彼女の忘れがたい子供時代を思い出させる。
武漢の孫さんは無数の美食を嗜めていたが、今では1杯の湯葉のために朝早く車を走って来て、捨てがたい心にある武漢味のためだ。
すでに父親になった王超さんは再び思い出の店を訪れ、幼い頃の思い出が今子供の記憶に変わっている。
武漢人と湯葉の縁と絆は、高温の油脂の下でますます絡んでいく。食べているのは炭水化物とカロリーであって、味わっているのはふくよかな脂だが、一口一口に味わい深い故郷の味がある。
武漢湯葉のお勧めリスト
楼林美湯葉店:洞庭街11号
味美香湯葉:広八路92号附2号
周記熱干麺豆皮大王:麒麟路と桃花街の交差点
厳末っ子シューマイ:前進四路と自治街の交差点
阿斌三鮮湯葉:水陸街62号
王師父湯葉館:高雄路47号