国は異なろうとも、月も同じ天の下でつながっている——江蘇省お薦めのお月見スポット

秋風が吹き、月が満ちる。中秋節は、東アジア文化を代表する伝統的な祭りである。古来より、月は再会、憧れ、願いを象徴し、人と自然、家族と遠い場所を結ぶ情緒的な結びつきとなってきた。

淮安里運河文化回廊 清江浦風景区

日本で古くから行われてきた「月見」は、中国の中秋節に月を愛でる風習と同じ流れを汲むもので、どちらも月への畏敬の念と家族や友人を想う気持ちを表すものである。文化交流が深まる昨今、この共通の祝祭感情もまた深まりつつある。中国・江蘇省では、古くからの月見文化が土地に深く根付いており、歴史の重みと自然の美しさを併せ持つ省内の名勝地は、月を楽しむ絶好の場所となっている。

鎮江金山

南京夫子廟——秦淮十里、夢の中の月夜

秦淮河のほとりに位置する南京夫子廟は、月見の定番スポットだ。「秦淮お月見」は南京で古くから伝わる民俗行事で、明清時代には中秋節と重なる「秋試」が行われ、満月が江南貢院中庭を照らし、夢を追い求める学生たちの奮闘の幻影を送った。

お祭りの季節には、夫子廟は明るく照らされ、月明かりが水面に映り、堤防沿いの古い建物が見事に映し出される。川で遊覧船に乗ると、古都南京の歴史的な風情が感じられ、煌びやかな光に照らされた繁栄的な光景と、静かな月明かりに照らされた詩的な雰囲気を味わうことができ、古代の文化と現代的な都市生活の融合に魅了される。

揚州痩西湖——灯が輝き影が舞う、月が地に映る

揚州は古来より月を愛でる街であり、いたるところで月の魅力に満ちる「月の街」である。数ある月見の名所の中でも、痩西湖は古来より有名で、唐代の詩人・杜牧が痩西湖のために詠んだ有名な一節「二十四橋明月夜、玉人何処教吹箫」は、今日まで語り継がれ、人々に親しまれている。現在、痩西湖は中国と江蘇省の「月見の名所」にも何度もランクインしている。

痩西湖は優雅な水墨画のようで、何千年もの間、その美しさで有名だった。古代の文人たちはここで舟に乗り、詩を詠みながら月を楽しんでいた。今日の観光客は、湖畔の古道を辿り、五亭橋、二十四橋、釣魚台、小金山、月観などの見どころに寄り道し、中秋の民間伝承を体験し、演芸を鑑賞するなどして、まるで空を隔てて古人と対話し、共に明るい月を楽しむような気分になる。

無錫鼋頭渚——太湖の月光

「太湖で最高の場所は、なんといっても鼋頭にある。」無錫鼋頭渚は、その自然の美しさから、太湖の景色を楽しむのに最適な場所の一つであり、世界三大桜の名所でもある。波打つ青い湖に満月が映り、月の影と水面と空が一色に染まる。鼋頭渚の長い堤防を散歩しながら、遠くに見える東屋が月明かりに照らされて夢のように見え、まるでダイナミックな山水画のようだ。

また、鼋頭渚では毎年の中秋節にお月見イベントを開催している。夜が更け、星の川が明るく輝き、水上では花火が打ち上げる。太湖でボートを漕ぎ、花火と音楽が奏でる楽しい踊りを遠くで眺めたり、湖畔の絳雪軒で甘い香りのキンモクセイ茶を飲みながら、太湖の風の音を聞き、遠く静かな月光に浸る。

蘇州宝帯橋——千年変わらぬ月が過去と現在を照らす

蘇州の宝帯橋も月を楽しむのに良い場所だ。月が空高く昇ると、月光が橋の穴を通り抜け、一つの穴と一つの満月という不思議な光景が形成される。53の満月は互いに繋がり、まるで川の中に真珠の糸が張られているかのようである。橋の下の水波は月の影と絡み合い、まるで千年の物語を語る無言の詩のようである。

宝帯橋は中国古代石橋の傑出した代表として、千年の歴史を持っている。大運河と澹台湖の間の玳玳河口に架かり、古運河と平行し、水面に静かに横たわる銀の帯のようである。宝帯橋は中国で最も長く、最も保存状態の良い連続アーチの大型古代石橋であり、江南運河の輝きを際立たせている。

連雲港連島——ヨットで海へ、月見の新潮流

連雲港の連島は、その海辺の風景と金色の砂浜で観光客に好まれている。明るい月明かりの下、連島の砂浜に立って星空を見上げ、顔に吹く潮風を感じ、海岸に打ち寄せる波の音を聞くのは、格別な体験である。

連島には江蘇省最大の規模と設備を持つプロの海洋ヨットクラブがあり、豪華な高速ヨット、クルーズ船、帆船、スピードボート、水上オートバイなどがある。中秋節の夜、ヨットデッキには月見エリアが設けられ、観光客は「海に昇る月」の美しさを楽しむことができる。それに、海鮮料理、バーベキュー、デザートなどのビュッフェがあり、民族楽団の演奏もあり、月見と食事に楽しい雰囲気を添える。

どこにいても、明るい月はいつも私たちの心を照らし、お互いの思いと祝福を結びつける。国は異なろうとも、月も同じ天の下でつながっている。

江蘇省へようこそ!

 

寄稿者:江蘇観光(日本)ピーアールセンター


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