浙江の青田県は、異国風の「外観」を持っているが、それでもほかの地域よりも江南の風情を保持しているエリアだ。
01 山間の窪地で楽しめる「ヨーロッパツアー」
午前——臨江東路を散策
臨江東路は青田の主要な商店街で、青田県で最も「ヨーロッパ風情」が漂う地区でもある。1770メートルある通りの両側には、ヨーロッパ式の建物がいたるところに見られる。臨江東路にそって思いのままに写真を撮りながら進むと、タイムスリップして、どこかヨーロッパの静かな路地を旅しているようだ。
校場路までやってくると、交差点で見られるのが青田の象徴となっているヨーロッパ式の橋だ。甌江にまたがるこの歩道橋は、車の行き来という「邪魔」がないため、辺りが一層静けさに包まれる。地元の人たちは食事の後に散歩でここにやってくるのが好きで、潮風に吹かれながらぼんやりと思いを馳せたりしている。
午後——カフェに入る
青田の人はどれくらいコーヒーを好むかご存知だろうか。この小さな町には意外にも200店もの高級カフェがある。思いのままに、気に入った雰囲気の店を選び、焙煎コーヒーやハンドドリップコーヒーを味わってみてほしい。眠い午後の時間、気持ちを起こすには最適だ。
夜——川沿いの夜景を眺める
夜の青田は日中よりも輝き、華やかで美しく、ネオンが町の輪郭を照らしている。もちろんこれだけではない。この千年の歴史を持つ江南の町はまだ見せ切れていないところがほかにもいろいろある。
02 中国の風情ある青田
金鶏山の日の出
金鶏山は「東甌第一山」として、「江南小黄山」とも称されている。一年中観光客が絶えずこの地を訪れる。多くの観光客は頂上でテントを張り、ただ美しい日の出と出会うためだけにそこで時間を過ごす。朝ぼらけの頃、雲の切れ間から差し込む太陽の光がゆっくりと雲を赤く染める。雲から顔を出す真っ赤な太陽が徐々に昇り、それはまるで幻のように変わる自然界の魔術を見せるようで、その瞬間、ほっこりした気持ちになる。
千峡湖の水
千峡湖は浙江省の二番目に大きい人工湖で、ここにどのような月日の移り変わりがあったか誰も知る由もないが、特別な形式で人間の過去を記したのはその山と舟だけかもしれない。本当の秘境は存在しないのだろうか。千峡湖では山と水と対話して、山間に住むという憧れの暮らし方と再会することができる。水面が澄みきっている千峡湖は貯水池ではなく、天山山脈の一角にある雪どけ水を貯まった、霊気が募る場所のようだ。
千絲岩の石
千糸岩観光エリアは青田石刻の発祥の地であり、中には「中華印文化園」がある。いたるところに印鑑の形になっている大きい石をたくさん見ることができるため、山登りも楽しいことスポットだ。山の頂上まで登り、滝を眺めると、岩が層状に重なり、その上から水が流れ、また岩の下の方から分岐して、繋がっているか繋がっていないかわからないような水のカーテンを成している。これこそ千糸岩と呼ばれている所以である。
小舟山の稲田
小舟山の面積はそんなに大きくないが、綺麗な景色が多く見られる。あちこち歩くと、緑豊かな植物が目に入る。見渡すかぎり最も美しい自然の姿だ。特に三月の春がくると、とうに春の息吹を感じた菜の花が咲き乱れている。春はいつまでも美しく、晴れ渡る空の辺りを照らし、そこに身を置くと絵の中にいるような気持ちになるだろう。
石門洞の空気
ここには息を呑むような大小様々な特色ある滝が、高さ1125メートルの断崖から降り注ぐ。悠久の人文歴史もあり、李白と謝霊運は相次いでここを訪れ、超人的な機知と巧妙な計略を誇った劉伯温もここで苦労な修業をしたことがあった。ここの森のカバー率は非常に高く、天然の酸素バーと言っても過言ではない。だから、スモッグに包まれた都市から逃げ出して、ここで石門洞の新鮮な空気を吸えば、絶対にすがすがしい気持ちになるに違いない。
青田の味
青田のグルメといえば、あの美味しくてたまらない鯉の一種、「田魚」は欠かせないだろう。また、両面を黄金色まで焼いた麦餅(マイビン)はサクサクして中の肉は柔らかく、香りがよくて美味しい。この他にも、なめらかな豆腐とひき肉のつくねは口の中でとろけるような味わいだ。青田の人たちが客をもてなす際によく出す山粉餃子や山粉饅頭も他郷にいる青田の人たちが恋しくなる食べ物だろう。
—「青田文化観光式」より