最近、広徳という都市は「煮込み鍋+ミルクティー+桃酥(タォースゥー)」のグルメセットはSNS話題になる。この安徽省、浙江省、江蘇省が接する地点にある都市は、普通の食物のために、若者たちを魅了する、わざと来てもらう「短い休暇」を取れる所になっている。


たくさんの観光客は広徳に着くと、直接「迎春街」へ行く。この街には何十軒「煮込み鍋」の店が集まり、「煮込み鍋の街」とも呼ばれている。土製の炭火焼きコンロにゴボゴボしている鍋の中、牛バラ肉とスープが煮込んで、干したけのこはスープをいっぱい吸い込み、最後に細かくきるニンニクの葉を入れると、料理の香が街を漂っていく。


正午、通りは車で埋め尽くされ、各飲食店の席は満席である。食卓には、牛肉と春雨の鍋、若鶏と栗の鍋、魚の頭と豆腐の鍋など、看板メニューの広徳風煮込み鍋が並び、見た目も香りも味も申し分ない。


食後、5分ほど歩くと綏安路に着き、カワンカミルクティー店の前には長い列ができている。特別に提供される広徳限定メニュー「山胡桃と桂花のミルクキャップ」は、紅茶ベースに地元の桂皮と陳皮を加え、焼き立てのくるみを手作業で砕き、桂花と共にミルクキャップの上に散らして仕上げている。飲むと豊かな食感が楽しめる。




ホットのミツクティを飲みながら、隣の詹記へ。看板メニューの宮廷風桃酥、クルミ入り桃酥、祁門紅茶入り桃酥、チョコレート桃酥、海塩チーズ桃酥、そして各種菓子が揃う。数箱を詰めてトランクに詰め込めば、最高の土産になる。
*桃酥とは「中国くるみクッキー」





美食以外にも、広徳には山水と人文の美がある。午後には笄山竹海へ向かうと、竹葉の間に差し込む太陽の日差しが漏れる光景、まるで武侠小説の秘境に迷い込んだかのようである。夕暮れに盧湖ダムに到着すると、夕日が湖面を黄金色に染め、何気なく撮った写真も油絵のような質感になる。翌日は太極洞を探検し、幻想的なカルスト地形による鍾乳洞群を見学するか、あるいは霊山大峡谷の趣を感じてみるのもよい。




この冬、食の香りを辿って広徳へ。鍋料理の温もり、ミルクティーの甘さ、桃酥(くるみのクッキー)のサクサク感……すべてが忘れられない旅の記憶を紡ぐである。
























