「悪魔の城」と呼ばれる絶景、ウイグル自治区北新疆のジュンガル盆地

北新疆のジュンガル盆地にあるこの絶景の地は、「外国人観光客が行くべき中国のナンバーワン観光地」と称されている。ここには、強風による悲鳴のような声がする世界魔鬼(悪魔)城、波がきらめくアイリク湖、壮麗な胡楊林など観光スポットがある。この風の街にはまだ知られていない景色や秘境がたくさん隠れているため、石油小都市カラマイ市とともに観光客を引きつけている。

こここそが、新疆の烏爾禾(ウルホ)である。

絶景の世界魔鬼城

「世界魔鬼城」は中国最大規模の雅丹(ヤルダン)地形で、荒れ果てたゴビ砂漠の中にあり、何億年にも渡る風食作用により、山岳は神秘的な迷宮や夢のような古堡の形を形成した。2018年には「神奇西北百景」に入選し、『中国国家地理』の「選美中国」活動で「中国最も美しい三つのヤルダン」の第一位に選ばれた。

日が暮れると、強風が魔鬼城に吹き渡り、悲鳴のような声が聞こえる。夜の魔鬼城は聴覚的に迫力があるが、昼の魔鬼城は視覚的にも衝撃を受けるだろう。山や岩の塊が様々な形をし、それは宮殿・高台・楼閣・城・人間・動物など多種多様である。全体的には神秘的な雰囲気が漂っていて、ここでしかできない体験ができる。展望台に登り、遠くを見渡せば、また魔鬼城に対する印象が一段と深くなるはず。約1億2000万年前の白亜紀、ここは淡水湖で、穏やかな気候に恵まれ、植物が生い茂り、恐竜の楽園だったことは今となっては想像できないだろう。滄海変じて桑田となる、とはまさにこのことだ。

烏爾禾魔鬼城に来た以上、ぜひ世界の終わりのような夕日を見てほしい。太陽がゆっくりと沈んでいくと、魔鬼城が荒れ果てた様子で、静寂さに包まれ、道路は果てまで伸びで行く…この金色に覆われるヤルダンに優しい温もりを感じ、この神秘さに満ちる鮮やかな世界魔鬼城は果てしない雲の海に身を置いているように見えるのだ。

天然の淡水湖―アイリク湖

烏爾禾魔鬼城と隣接しているのは神秘的で美しい「アイリク湖」だ。「アイリク」はモンゴル語でヨーグルトを意味する言葉で、キュートな名前がこの小さな湖に神秘的な雰囲気をもたらしている。晴れた日のアイリク湖は穏やかで、青い水面が和やかで美しい。アイリク湖はゴビ砂漠とヤルダン地形に囲まれ、カラマイ市にある唯一の湖だ。波が揺れてひらめき、芦が茂り、周りにイノシシやモウコガゼルが出没し、まるで絵のような景色である。荒地のゴビ砂漠とは真逆で、アイリク湖はゴビに嵌められた真珠と讃えられている。

千年も朽ちない胡楊

「烏爾禾胡楊林」は新疆カラマイ市の東100キロのところにあり、面積は30万ムーに達している。胡楊樹は「生まれて千年死なず、死して千年倒れず、倒れて千年朽ちず」といわれるほど強い生命力を持ち、新疆の人にとって、胡楊は木の中のヒーローそのものである。この砂漠の守護神と見られる植物は、日に日に逞しい姿で砂漠に立ち続け、干ばつや風砂を凌ぎ、生と死に関わる砂漠化防止の争奪戦を記録している。

秋日の下、金胡楊の姿が青空に映り、鮮やかな色合いで金色の回廊を作り上げた。金色の葉は日差しを浴びて、まるで少女の眉毛のように美しく光り輝き、しなやかで可愛い。

冬、氷雪は最高のメイクアップアーティストである。マイナス10度の低温環境に、天と地は巨大な画布のようで、白いファンデーションを塗った1万ムーの胡楊林がこの大きな絵に命を与えている。全ては氷雪に覆われている世界で、野草が枯れても、命の力を感じる。雪を踏みながら前へ進み、後ろに深い足跡を残る。空から雪の花がひらひらと降って、軽く服に触れ、地面や胡楊の枝に止まる。真っ白で果てしない天地にあるぼんやりとする景色が美しい水墨画のようだ。

恐竜公園

烏爾禾は恐竜の天国だった。ウエルホサウルス(Wuerhosaurus)、ズンガリプテルス(Dsungaripterus)などはここに生息していた。カラマイ市烏爾禾区217国道西側に位置する「恐竜文化苑」は新疆の「ジュラシック・パーク」と呼ばれている。公園には剣龍や翼竜などの彫像があり、最大のものは高さ10メートルに達し、最小でも高さが1メートルに達している。広場の高い場所に置かれた大きな恐竜の骨組は恐竜文化柱8本と鋳鉄の恐竜化石の骨組みと一緒に、恐竜がここで生息、繁殖、進化、絶滅までの経過を来場者に教えてくれている。

烏爾禾で石を拾おう

広大なゴビ砂漠で石を拾うのは、街でお金を払って石を買うのとは全く感覚が異なる。石を拾うために烏爾禾のゴビ砂漠にやってくる人たちはその心に一つの夢を抱えている。きっと千年前も決まった「縁」は遠くない未来にあり、眼差しの交差も運命の出会いを意味すると信じている。曲がった坂に点々と散らかっている小石は赤、青、白、橙色など色とりどりで古代の仙女が身につけていた飾りのようで、神秘的な色彩を増している。

烏爾禾は新疆の「凝縮の地」であり、「風水宝地」である。ここにある城も、水も、樹木も全ては他と異なり、尋常ではない美しさを誇っている。多くの人は北新疆を行くために烏爾禾を経由するだけで、ここに素晴らしい景色がたくさんあることを知らないことが多い。実は、ここには魅力的な景色があり、のんびりとしていて、ホッと一息つける絶好な場所なのである。

 —「環球旅行」より


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