もしあなたが成都の人に、「観光はどこがお勧めですか?」と聞くなら、「春熙路、錦里、寛窄巷子、杜甫草堂、文殊院、武侯祠などがお勧め、でも、そこで買い物だけは絶対にしないでくださいね」と答えるだろう。
次に成都の人に「あなたたちは普段何をして遊んでいますか?」と尋ねたら、「食事をしたり、お茶を飲んだり、そしてマージャンもすることの以外も無いかな。」と答える。
杜甫草堂
武侯祠
この問答を聞いたら、ざぞ成都は大変つまらない都市だろうと思われがちだが、このような生活にのんびりした雰囲気が流れていて、人々も成都へ行きたがる。
成都は中国で観光が最も盛んで、居住に関する幸福度が最も高い都市の一つである。都会の森のユートピアのようで、ここに来るといろんなものが再定義される。
01 成都、全ての人は「生活家」だ
成都で暮らしている人は自分の生活が、毎日通勤したり、買い物したり、料理をしたりしているだけのつまらない生活だと考えているが、一旦離れると、家の付近にある脂腸粉や、通りの向かいにある火鍋料理や、夕食後に散歩できる桐の古道が恋しくなる。
ここに旅行に来る人は、毎日どこにも行っていないような、何もしていないような、わけのわからないけだるい気分で、三、五日が過ぎ去っていると感じる。
ここに来て懸命に働く人は、高新区の生活リズムがとても速くて、西嶺雪山の晴れた日を見ることも滅多にないが、生活ペースそのものに強い帰属感を帯びていると感じる。
これは成都で、ここにいるすべての人が生活家である。
著名な若い人文写真家朱毀毀は、かつて『成都は天国ではありません』『人間成都』の二冊の作品集でこの都市をまとめたことがある。多くの読者は読んだあと思わず「素晴らしい日常、人間らしい成都」と感嘆する。
多くの人々も朱毀毀の写真によって成都を好きになった。彼は深く都市の細胞に入れた「生活観察員」だけではなく、あの古い言葉のように、「人間らしい日常生活は最も人々の心を慰めてくれる」。
朱毀毀の写真展
彼らは時間通りに大通りの辺りに座って、鶏肉スライスの混ぜ物、豆のスープ、豚足のスープを註文したり、おいしい甘い麺のある路地を散歩したり、白い水鳥が飛んでいる錦江のほとりや、お茶が飲めるどこかの公園を散歩したりしている。
彼らは朝に自分のお気に入りの四川風ワンタンを食べに行き、午後には市場で最高のベーコンを選んで、夜には新しいオープンした店で串鍋を食べる。彼らは車で空港花畑に行き、散歩しながら飛行機を見る。さらに彼らは川で、プールで、水上楽園でマージャンをしたり、成都の夏のメロディを奏でるように楽しむ。
成都人の特殊な娯楽活動——空港花畑で飛行机を見る
成都水上マージャン大会
02 成都の街を歩いてみよう
「僕と一緒に成都の街頭を歩いてみよう」というのは歌詞だけではなく、成都を知る手口でもある。
もしあなたは初めて成都に来る人なら、寛窄巷子に行くべきだ。ここは成都の名刺であると同時に、古い成都の縮図でもある。ぶらぶらに疲れたら、静かな茶楼を見つけて川劇を聞く。お茶博士が1メートルもある長いポットの口であなたにお茶を注ぐのを見たあと、四川式耳掃除の楽しさを体験する。
川劇の公演
耳掻き
もしあなたは文芸スタイルが好きなら、 鏜鈀街は絶対にあなたを失望させない。『TIMEOUT』誌で「世界で最もクールな50ブロック」に選ばれたこの街は、下町と現代、アートと暮らしが融合した典型的なパラダイムと言える。ここには成都最初の24時間書店、古今を併せ持つ百年老院崇徳里、成都のコーヒー聖地と呼ばれる「門徳里」カフェなどがある。古い成都の悠々自適と、新しい成都の生き生きする文化はすべてこの短い通りの中に隠れている。
もしあなたはストリートスナップを大好きなら、玉林社区(住宅街)は見逃せない。そこで様々なロマンと人間生活をキャッチすることができる。
ここは本来の成都社区の生活をそのまま残している。いたるところが軽食店と串鍋の店、人々が溢れる玉林野菜市場、壁画いっぱいの玉林四巷、喫茶店に改造されたコミュニティセンター「巷里」…「玉林で長年生活していると、成都のすべてが変わっているようで、また何も変わっていないようだ」と人は言う。
玉林社区(住宅街)
成都、ゆっくりと歩いてみる価値がある場所は本当に沢山ある。桐梓林、赤瓦寺、工人村、牛市口…すべての古い社区は生々流転する巴蜀の生活を育ていて、望平街、書院街、建設路、青蓮上街…どの通りにも成都らしい表情を見せている。足取りを緩めば、あなたも生活家たちと一緒に、永遠に2Gの成都に留まることができる。
スローダウン、2Gの都市スピード