古代から現代に至るまで、どの時代にも高士が山に身を隠し、深山の寺で修行することがあった。辺鄙で危険なところはいつも隠れて聳え立つ千年を経っても倒れないお寺が、雲の端にあって微かにしら見えない、仙境に至るような感じ。地上から最も遠く離れ、天国に最も近くて、もしかしたらこれは仙人たちがこの世に残した最後の浄土ではないか。
画像|©図虫 秋風無痕人有憶
遠くから見ると険しく、危なっかしく、近づけば絶壁、高所恐怖症の悪夢。それらは世の中の最も危険で最も奇妙な秘境である…今日は、六つの危険なお寺を探検し皆さんに紹介する。
01 塔雲山金頂観音殿・陝西省
天下の最も危険な道観に行って、仙人の足跡を探る
陝西省商洛市鎮安県には、「中国で最も危険な家」がある。標高1665.8メートルの山の先端に建てられ、三方は底が知れない深淵にかかっているが、土台は岩の間に挿入された四本の石柱にすぎない。家を建てるのに使われる材料も、普通の石ころで、接着道具は一切使わなかった。一望すると、針の先に家があるようだ。これは陝西省塔雲山の上、「天下の最も危険な道教寺院」と呼ばれる金頂観音殿である。
面積は6平方メートルに満たないが、1館、1堂、1廟、1塔、9殿がある。壊れそうに見えるがこの家は1582年に建てられ、500年近くもの歳月が流れている。中を遊覧すると、古人の知恵に驚嘆せずにはいられなくて、思わず「一覧して衆山を小とすべし」の感が生まれる。
住所:陝西省商洛市鎮安県
02 渾源懸空寺・山西
世界で最も巧妙で危険な木造建築
「懸空寺、宙吊り、馬の尾三本が空中ぶらり」という奇妙で宙ぶらりこの寺は、国際週刊誌『タイムズ』に、世界で最も不安定な建筑トップ10に選ばれて、イタリアのピサの斜塔と同じ有名で、フランスのエッフェル塔よりも巧妙である。
記録によると、懸空寺は了然という僧が設計・建立したもので、これまでに1500年以上の歴史がある。
千年の時間を経て、懸空寺は山崩れと地震を耐え、終始倒れずに聳え立っているため、見事な建築設計だと言える:千トンの地盤がなく、ただ数本の木が支えて立っているだけ、しかもいくつかの木の柱は全然力を受けず、全ての重量を支えるのは岩の中に挿入する横木の飛梁だけなのだ。
住所:山西省大同市渾源県恒山金竜峡西側翠屏峰の絶壁の間
03 梵浄山金頂・貴州
金頂に登らなければ、梵浄山に着いてないと同じだと人が言う。武陵山脈の最高峰である梵浄山金頂は海抜2336メートルで、金頂全体が太陽に包まれると、大変美しい景色が見える。
山が険しくなると、一段一段と上を登っていくことがスリリングに感じるが、チャレンジする気持ちも衰えない。日の出、雲の海、流星群、金頂、キノコ石…このようなユニークな登山体験と「一覧して衆山を小とすべし」景色も、梵浄山ならではのものだ。
住所:貴州省銅仁市江口県太平郷黒湾河梵浄山景勝地
画像|図虫
04 承徳双塔山・河北
承徳市区の西南に、二つの巨大な岩柱が南北にならんで、肩を並べて立っている。巨石の上に二つの塔が立っていて、四方は急な絶壁で、高過ぎて登ることができない。双峰にある二つの古塔は、1300年以上も昔に建てられたと言われている。近代以来、人力だけで登頂に成功した人はいなかった。
歴史典籍が欠落したため、レンガ塔の中にある多くの文化現象は今になっても考証することができない。人々にたくさんの未解決な謎を残している。
住所:河北省承徳市区西南30里
05 佳県香炉寺・陝西省
崖のふちに建つ、陝北の「蓬萊仙境」
香炉寺の地勢は険しく、香炉石は空を衝いて立ち、断橋は危なげで、滔々たる黄河の激流が沸き立っている。夕暮れになると、太陽が孤亭の影を黄河の流れに投影する。詩のようで絵のようで、地元の人は「小蓬萊」と呼び、仙境と称えた。
住所: 陝西省楡林市佳県県城東
06 チャムドの孜珠寺・チベット
チベットのチャムドにはチベット人にも知られていない寺院——孜珠寺がある。これは雍仲ボン教で最も古く、最も重要な寺院の一つである。海抜4800メートルの高さは、チベット中で海抜が最も高い寺院で、極めて神秘的なので、ほとんど人が足を踏み入れない。このため、「孜珠寺」は深山に隠れている桃源郷のようで、浮世の騒ぎから遠く離れて、非常にまじりけがないのだ。
住所:チベット自治区昌都地区丁青県覚恩郷