「陝西省から来た妊婦さんが、夜明けの2時に天水麻辣燙を食べるために列に並んだ。お腹の赤ちゃんと一緒においしい料理を体験したいとのことだった……」 最近、天水麻辣燙(マーラータン、ピリ辛風味の煮込み料理)は中国全土で爆発的人気となり、世界中からのグルメ愛好家たちが、舌の「しびれ」、「辛さ」、「熱さ」を体験するようと、高速鉄道や飛行機で何千マイルも旅してこの千年の歴史を持つ都市に集まってきた。
四川省の麻辣燙は辛さ、東北地方の麻辣燙はゴマダレで有名だが、天水麻辣燙の目玉はラー油と手打ち粉にある。ラー油は甘粛省甘谷県の特産品・甘谷トウガラシを使ったもので、見た目は赤く、色鮮やかで、香りが濃厚である。手打ちのジャガイモの粉はもう一つの特徴で、見た目は透き通っていて、味はシンナリとしていて滑らかである。魂の出汁を合わせて食べると、おいしくてたまらない!
天水麻辣燙はその地域特有の調理法に加え、淄博バーベキューと同じ、コストパフォーマンスもいい。たくさんの食材が 1~2 元で、鍋一杯でも20~30元である。カリフラワー、ブロッコリー、タケノコ、セロリ、娃々菜、ケールなどの新鮮な野菜はほとんどが地元産で、天水麻辣燙の主な食材となっている。
近年、麻辣燙は日本で、北京ダックや火鍋に続く中国の代表グルメとなった。麻辣燙のほかにも、天水に行く理由はたくさんある。麦積山石窟や伏羲廟を代表とする景勝地は点在しており、自然の風景と人文景観が互いに照り映えている。また、浆水麺、肉団子、涼粉(リァンフェン:緑豆の粉で作ったところてんのような食品)、牛肉ラーメンなどの風味のある美食もあり、香りに惹かれて訪ねた観光客を魅了する。
寄稿者:恵子